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マイクロニードル

基礎

マイクロニードルは安全?痛くない?

医療分野、美容分野において、最近よく耳にする「マイクロニードル」ですが、本当に痛くないのか?顔や体に使用しても本当に大丈夫なのか?という疑問を持たれる方が多くいらっしゃるかと思います。今回は、マイクロニードルによる痛み、安全性についてご紹介いたします。


 

マイクロニードルは見た目が怖くない

 最近、ワクチン接種で注射をご経験された方が大勢いらっしゃるかと思います。私たちは、注射器を見ると、痛そうだな、少し緊張するな、怖いな、という思いを抱きます。ましてや、子供達にとっては、針を見るだけで恐怖すら感じる事でしょう。

 シンクランドの開発するマイクロニードルは、目視ではほとんど見えないくらいの細さと短さを兼ね備えた、目に見えにくい注射針であり、見た目からして怖くありません。


 

マイクロニードルは痛くない

 なぜ、私たちは蚊に刺されても痛みを感じないのでしょうか。針がとても細い事(0.08mm程度)が理由の一つとされています。細い針であれば、皮膚に刺しても痛みを感じる細胞(痛点)を刺激する確率が低くなり、痛みが軽減されるといわれています。


 実際に小動物を使った実験例があります*。注射針を小動物の皮膚に刺した直後に唾液に含まれるアミラーゼの分泌量を測定し、痛みを感じたかどうかを判定する評価方法です(アミラーゼ分泌量が増えるほど、痛みを感じたと判定)。

 実験で用いられた注射針のうち、太さ0.15~0.2mmの注射針を刺すとアミラーゼの分泌量が増える一方、太さ0.1mm以下の注射針を刺しても、アミラーゼの分泌量はほとんど増えないという結果が得られています。

 この実験結果から、注射針の太さを0.1mm以下に細くする事は、痛みを軽減するために有効な手段といえます。また、針の長さについても、皮膚に刺入する深さが深いほど痛点を刺激する確率が増えますが、短くするほど、痛点を刺激する確率が減る為、痛みを軽減できます。


 シンクランドのマイクロニードルは、針の太さを0.1mm以下と細くし、かつ、長さを1mm以下と短くすることで、極力痛みを軽減いたしました。


写真:人差し指の上に載せた、長さ0.8mm、先端付近の直径が0.05mmのマイクロニードル(アレイ)


 

マイクロニードルは、体に安全な材料で出来ている

 一方で、針を細くすると、針の強度が低下し、折れやすくなるというリスクが発生します。細い金属の注射針を使って薬剤を投与中、万が一、針が折れて体内に金属が残るといった事故につながります。

 そこで、シンクランドのマイクロニードルは、手術用縫合糸と同じ生分解性プラスチックで作ることにしました。これは水分に触れると、徐々に分解して消失する性質をもっています。この生分解性プラスチックで製作したマイクロニードルは、万が一、折れても生体内で分解され消失するため、安全にご使用いただけます。

 シンクランドは、安全で見た目も怖くないマイクロニードルの開発を引き続き推進して参ります。


* 井上、槌谷、木村、梶原、2009年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集「唾液中αアミラーゼ量変動を用いたマイクロ無痛針最大許容外径の探索」参照
 

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